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老年が、未熟なままの彼らの心にふいに襲いかかる…

老年が、未熟なままの彼らの心にふいに襲いかかる。彼らは、なんの準備も、なんの守りもないまま老年に至る。なんの準備もしてこなかったために、彼らは突然老人となる。日々、老人に近づいていたことに気づいていなかったのである。- セネカ『生の短さについて』

Old age surprises them while their minds are still childish, and they come to it unprepared and unarmed, for they have made no provision for it; they have stumbled upon it suddenly and unexpectedly, they did not notice that it was nearer day by day. – On the Shortness of Life: Seneca

現代社会では、「若さ」が過度に称賛され、「気が若い」ことが美徳とされることが多くあります。しかし、今セネカが生きていたら、拳を握ってこの考え方の危険性を説いたはずです。

私たちは「若さ」や「若々しさ」を保つことに執着するあまり、精神的な成熟の機会を逃してはいないでしょうか。「気が若い」ことと「精神的に成熟している」ことは、全く別のものです。外見的な若さや活力を保つことは素晴らしいことですが、それだけでは不十分なのです。

真の成長には、内面的な成熟、自己省察、そして人生の各段階に対する意識的な準備が必要です。セネカが警告する「突然老人となる」状態は、現代社会においてより起こりやすくなっているかもしれません。

私たちは日々の忙しさに埋没し、時間の経過に無自覚になりがちです。「まだ若い」「まだまだいける」という錯覚に陥り、SNSに没頭したり、無意味な会話に時間を費やしたりと、無為な時間を延々と繰り返してしまいます。その結果、人生の重要な準備を行う時間を先送りしているのです。

若さを保ちたいという願望と、真の意味での成長のバランスを取ることが、現代を生きる私たちにとっての大きな課題です。今という時間を捉え、あなたの人生の舵取りを意識的に行っていきましょう。

ストア派の知恵ジャーナリングという強力なツールをあなたは活用できます。セネカの警告する「突然の老年」は避けることができるのです。

参考文献

セネカとは?

セネカは紀元前4年頃、現在のスペインにあたるコルドバで生まれ、ローマ帝国の哲学者、政治家、劇作家として名を馳せました。ストア派哲学の代表的思想家でありながら、大資産家として富を築き、若い皇帝ネロの家庭教師を務め、権力の中枢にまで上り詰めました。この生き方は、しばしばストア哲学との矛盾を批判されました。しかし、実はそこに現代を生きる我々への大いなるヒントが秘められています。『人生の短さについて』や『怒りについて』など、彼の著作は今なお広く読まれ、富を手にしながら自分を見失うことなく、幸せと自由を追求する術を与えてくれます。

 

エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。