芝居じみた大げさな振る舞い、争い、混乱、怠惰、こびへつらい。これらは日々、君がぼんやりと夢想したり、忍び込むのを許す度に、君の神聖な原則をひとつまたひとつと塗りつぶしていくのだ。- マルクス・アウレリウス『自省録』
Operatics, combat and confusion. Sloth and servility. Every day they blot out those sacred principles of yours—which you daydream thoughtlessly about, or just let slide. – Meditations: Marcus Aurelius
マルクス・アウレリウスは、自分の価値観や信念を、ほとんど無意識のうちに手放したり、軽視したり、否定してしまう危険性を自らに警告しています。
これは、現代ではソーシャルメディアに接していても同じことが起こります。SNSでネガティブな言葉を浴び続けたり、利己的で無責任な言説に触れ続ければ、気が付かないうちに判断のコントロールを奪われているかもしれません。
彼は、自分の原則を守り、意識的に生きることの重要性を自らに語りかけています。この教えは、現代社会においても非常に重要で、私たちに自己省察と意識的な生き方の必要性を思い起こさせます。
身の回りに起こる出来事は、どれだけ避けていても、どこかで出くわすことになるでしょう。だとすれば、いかに普段から心構えをしておくのかがポイントとなります。起こるより先に、悪いことが起こることを予測するのです。
ストア派には「悪の事前瞑想」という訓練があります。これは、具体的には、失敗や奪われる可能性のあることを事前に想像することで、人生の避けられない挫折に備える方法です。自分の状況を常に高い位置から眺め、事前に予測し、起こりうることに備えることは、ストア派の実践に欠かせない要素です。
この言葉の発する強い警告は、マルクス・アウレリウス自身のみならず、2000年後に生きる私たちへ向けて発せられているのです。
121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。
あなたは朝派?夜派?
あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。
ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。
しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。