Email-マルクス・アウレリウス

もういい加減、君は気づく時なのだ。君をあやつり人形のごとく踊らせる物事よりも…

もういい加減、君は気づく時なのだ。君をあやつり人形のごとく踊らせる物事よりも、より力強く何か驚異的な力が君の中にあることを。今この瞬間、私の心象に浮かんでいるものは何だ。恐怖?嫉妬?欲望?それに近い感情なのか?- マルクス・アウレリウス『自省録』

It’s time you realized that you have something in you more powerful and miraculous than the things that affect you and make you dance like a puppet. What’s in my thoughts at this moment? Fear? Jealousy? Desire? Feelings like that? – Meditations: Marcus Aurelius

私たちは様々な誘惑や外的要因に振り回されがちです。ソーシャルメディアの「いいね」の数、他人の評価、社会的な期待など、現代社会でこれらが私たちをあやつり人形のように操っていることを誰も否定できません。

ギャンブルのように依存性のあるアプリや、心をかき乱し怒りをあおる物語を次々に発信し続けるメディアがあります。これらは一瞬にして私たちの心を持ち去り、大事なものから目をそらさせます。

マルクス・アウレリウスもまた、私たちと同じような誘惑や落とし穴に日々直面していました。ローマ帝国の皇帝として、噂話や陰口、絶え間ない元老院や市民からの要求、誘惑や甘言を使った罠に立ち向かい、内面では、私たちと同じように恐怖、疑念、欲望と戦っていたのです。

彼は問いかけます。「今この瞬間、私の心象に浮かんでいるものは何だ。恐怖?嫉妬?欲望?それに近い感情なのか?」

マルクス・アウレリウスは、人間は外の力に引っ張られやすいことを認識していました。しかし同時に、私たちの内なる力の方がはるかに強大だと言うのです。これは日々のストア派の実践から得られたマインドに他なりません。

日々の喧騒の中で、私たちは自分の内面と向き合う時間を持つことが大切です。恐怖、嫉妬、欲望といった感情に気づき、それらを認識することで、私たちはそれらにコントロールされることなく、より自由に行動できるようになります。

外的な影響や内なる衝動に振り回されそうになったとき、一歩引いて自分の内なる力を見つめ直してみましょう。そうすることで、私たちは真の自由と平静さを見出すことができるのです。 

参考文献

マルクス・アウレリウスとは?

121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。

 

あなたは朝派?夜派?

あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。

ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。

しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。