君が回り道をして手に入れようとしているすべてのものは、今この瞬間に手に入れることができる。君が自らそれを拒みさえしなければ。ーマルクス・アウレリウス『自省録』
Everything you’re trying to reach—by taking the long way round—you could have right now, this moment. If you’d only stop thwarting your own attempts. – Meditations: Marcus Aurelius
なぜ、あなたは辛い思いをして仕事を続けているのでしょうか?その仕事をやめたら人生が終わってしまうと思い詰めているのはなぜなのでしょうか?その仕事によって本当に手に入れたいものは何なのでしょうか。
あなたが求めているものは、実はすでにあなたの手の中にあるのかもしれません。
日々の生活の中で、私たちは様々な目標や欲望に駆り立てられています。成功、幸福、平安…これらを追い求めて、どれほど遠回りをしていることでしょうか。長期的な計画を立て、困難を乗り越え、時には自分の価値観さえ曲げながら、目標達成のために奔走しているのではないでしょうか。
しかし、マルクス・アウレリウスは私たちに問いかけます。「君が回り道をして手に入れようとしているすべてのものは、今この瞬間に手に入れることができる」と。この言葉は、私たちが求めているものの多くが、実は既に手の届くところにあることを示唆しています。
幸福や満足感は、未来の何かを達成することによってのみ得られるものではありません。それらは、今この瞬間の中に存在しているのです。自然の美しさに気づくこと、愛する人との時間を大切にすること、自分の内なる声に耳を傾けること…これらは全て、今すぐに手に入れることができるものです。
マルクス・アウレリウスは続けて言います。「君が自らそれを拒みさえしなければ」と。つまり、私たちが今この瞬間の幸福を感じられないのは、自分自身がそれを拒んでいるからかもしれないのです。過去の後悔や未来への不安に囚われ、目の前にある幸福に気づかないでいることはないでしょうか。
この教えは、私たちに現在の瞬間に目を向け、そこにある価値を認識することの重要性を説いています。それは決して、野心や目標を持つことを否定するものではありません。むしろ、目標に向かって進む過程そのものの中に幸福を見出すことの大切さを教えています。
心の中の葛藤を手放し、目の前の可能性を受け入れることで、あなたは本当に大切なものを手に入れることができるのです。欲しいものはいつもあなたの目の前にあります。それを手にするのに回り道をする必要はないのです。
121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。
あなたは朝派?夜派?
あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。
ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。
しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。