Email-マルクス・アウレリウス

裏返して見てみよ。それはどのようなものか。年老いたら、病気になったら、あるいは路上で身を売るようになったら…

裏返して見てみよ。それはどのようなものか。年老いたら、病気になったら、あるいは路上で身を売るようになったら?命は短いー称賛する者も、称賛される者も、記憶する者も、記憶される者も。この地のどこかで覚えられているかもしれないが、それすら彼らは互いに同意することはない。(あるいは自分自身にさえ同意しない)そして、地球全体でさえ、宇宙のほんの一点に過ぎない。ーマルクス・アウレリウス『自省録』

Turn it inside out: What is it like? What is it like old? Or sick? Or selling itself on the streets? They all die soon—praiser and praised, rememberer and remembered. Remembered in these parts or in a corner of them. Even there they don’t all agree with each other (or even with themselves). And the whole earth a mere point in space. – Meditations: Marcus Aurelius

私たちは様々な目標や欲望に駆り立てられています。成功、名声、富、美しさ…これらを追い求めることに、どれほどの時間とエネルギーを費やしているでしょうか?

しかし、マルクス・アウレリウスは私たちに問いかけます。「裏返して見てみよ」と。私たちが価値あるものとして追い求めているものの、もう一つの側面を見てみようというのです。

年を重ね、病に倒れ、あるいは不運に見舞われたとき、これらの外面的な価値はどれほどの意味を持つでしょうか?称賛や記憶さえも、時の流れとともに薄れていきます。

さらに彼は、私たちの存在の小ささを指摘します。地球全体でさえ、広大な宇宙の中では一点に過ぎないのです。この視点は、私たちの日々の悩みや執着を相対化し、より大きな視野で人生を見つめる機会を与えてくれます。

しかし、この教えは決して虚無主義を説いているのではありません。むしろ、本当に大切なものに目を向けるよう促しているのです。一時的な評価や物質的な成功ではなく、内なる平安や他者との真の繋がり、そして自然との調和…これらこそが、真に価値あるものなのかもしれません。

外面的な成功や評価に囚われるのではなく、自分の内面や他者との関係性、そして大きな自然の一部としての自分の存在に目を向けてみてください。すべての存在が一時的で、最終的には消え去る運命にあることを思い起こすことも、ストア派の重要な実践のひとつです。

今この瞬間をより豊かに、意識的に生きること。これを日々考え、実践してきたマルクス・アウレリウスの言葉が、私たちへの強いメッセージとして響きます。

参考文献

マルクス・アウレリウスとは?

121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。

 

あなたは朝派?夜派?

あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。

ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。

しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。