Email-マルクス・アウレリウス

人はすべてから逃れるために田舎や海辺、山へ引きこもろうとする。お前にもまさにそうしたものに憧れるところがある。しかし、それは愚かなことだ…

人はすべてから逃れるために田舎や海辺、山へ引きこもろうとする。お前にもまさにそうしたものに憧れるところがある。しかし、それは愚かなことだ。というのは、お前はいつでも好きなときに自分自身の内に引きこもることができるのである。

どこへ行っても、自分自身の魂の中にまさる平和で邪魔されない場所はない。特に、じっと眺めているとたちまち心が安らかになってくるようなものを自分の内に持っていれば、なおさらのことである。静けさは、一種の調和を意味する。だから、絶えずこの隠れ家を自分に備えて元気を回復せよ。ーマルクス・アウレリウス『自省録』

People try to get away from it all—to the country, to the beach, to the mountains. You always wish that you could too. Which is idiotic: you can get away from it anytime you like.By going within.

Nowhere you can go is more peaceful—more free of interruptions—than your own soul. Especially if you have other things to rely on. An instant’s recollection and there it is: complete tranquillity. And by tranquillity I mean a kind of harmony.So keep getting away from it all—like that. Renew yourself. – Meditations: Marcus Aurelius

日々の喧騒や重圧から逃れたいと思ったことはありませんか?休暇を取って遠くへ旅に出たり、静かな場所に引きこもりたくなったりすることはないでしょうか。そんな思いは誰にでもあるものです。しかし、マルクス・アウレリウスは私たちに驚くべき真実を教えてくれます。本当の平安は、外の世界ではなく、自分自身の内にあるのだと。

このメッセージは、ストア哲学における内面的な平静と調和の重要性を強調しており、自己の内面を見つめることで、外部の状況に左右されない心のあり方を追求することを促しています。

  1. 内面的な平和の重要性: 外部の場所に逃れることなく、自分自身の内面に目を向けることで、心の平和を見つけることができるとしています。どこへ行っても、自分の魂の中が最も平和で邪魔されない場所であるという考えを強調しています。
  2. 自己内省の価値: 自分の内面に引きこもることを通じて、自己内省を行い、心の安らぎを得ることの重要性を説いています。これは、外部の環境に依存せずに自分自身を見つめ直す力を持つことを促しています。
  3. 調和と静けさの追求: 静けさを「一種の調和」として捉え、心の中で調和を見つけることが、精神的な安定や幸福に繋がるとしています。内面的な調和を保つことで、外部の混乱に影響されない心を持つことができるのです。
  4. 自己回復の手段: 常に自分の内面に「隠れ家」を持つことで、日常のストレスや困難から元気を回復することができるとしています。これは、自己の内面を整えることが、外部の挑戦に立ち向かうための準備となるという考え方です。

マルクス・アウレリウスは言います。「お前はいつでも好きなときに自分自身の内に引きこもることができるのである。」この言葉は、私たちが常に持ち歩いている、最も貴重な避難所について語っているのです。それは、私たち自身の心の中にある静寂の場所です。

外の世界がどれほど騒がしくても、どれほど困難に満ちていても、私たちの内なる世界は平和で静かな場所になり得るのです。今日から、忙しい日常の中でも、ほんの少しの時間でいいので、自分の内面に目を向ける習慣を始めてみませんか?深呼吸をしたり、瞑想をしたり、あるいは単に自分の思考を観察したりするだけでいいのです。

参考文献

マルクス・アウレリウスとは?

121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。

 

あなたは朝派?夜派?

あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。

ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。

しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。