お前の思考を制御する能力を尊重せよ。それこそが、自然に対して、また理性的存在としてふさわしくないものからお前の心を守る唯一のものだ。この能力が思慮深さを可能にし、人間に対する親しみと神々への服従を可能にするのだ。ーマルクス・アウレリウス『自省録』
Your ability to control your thoughts—treat it with respect. It’s all that protects your mind from false perceptions—false to your nature, and that of all rational beings. It’s what makes thoughtfulness possible, and affection for other people, and submission to the divine. – Meditations: Marcus Aurelius
他人の言動、予期せぬ出来事、社会の期待…これらに翻弄され、自分を見失いそうになることはないでしょうか。マルクス・アウレリウスは、自分自身へ向けて「思考を制御する能力を尊重せよ」と語りかけています。この能力こそ、私たちの心を守る唯一の砦だからです。
この能力は私たちに思慮深さをもたらし、他者との調和や自然の摂理への理解を可能にします。
自分の思考を制御することで、私たちは周囲の状況を冷静に分析し、適切に対応することができます。怒りや不安、嫉妬といった感情に支配されることなく、理性的に行動することができるのです。
- 思考の制御の重要性: これは、個人の内面的な平静や理性的な判断を維持するために不可欠な要素です。思考の制御は、自己の本質を守るための重要な手段とされています。
- 誤った認識からの防御: 誤った認識は、自分の本性や理性的存在としての在り方に反するものであり、これを防ぐことが求められています。
- 思慮深さと他者への愛: これは、他者との関係を築く上で重要な要素であり、理性的な存在としての人間の在り方を支えるものです。
- 神聖なものへの服従: 神々への服従が可能になるという部分は、ストア哲学における自然や宇宙の理法に従うことの重要性を示しています。これは、自己を超えた存在に対する敬意や謙虚さを表しています。
今日から、自分の思考を意識的に観察し、制御する練習を始めてください。困難な状況に直面したときには、一歩引いて自分の反応を見つめ直してください。自分を守るためのより賢明な判断と行動が可能になるはずです。
121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。
あなたは朝派?夜派?
あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。
ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。
しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。