目覚めよ、自分自身を取り戻せ。君を悩ましていたものは悪夢でしかなかったことが分かるなら、目を醒まして、周囲のすべてを夢として扱うのだ。ーマルクス・アウレリウス『自省録』
Awaken; return to yourself. Now, no longer asleep, knowing they were only dreams, clear-headed again, treat everything around you as a dream. – Meditations: Marcus Aurelius
日々の生活の中で、様々な不安や心配、ストレスに押しつぶされそうになることはありませんか?仕事の締め切り、人間関係の軋轢、将来への不安…これらが重くのしかかり、自分を見失いそうになることはないでしょうか。
マルクス・アウレリウスは、そんな私たちの心の奥底に眠る本来の自分に気づくよう促しています。彼は言います。「君を悩ましていたものは悪夢でしかなかった」のだと。つまり、私たちを苦しめているものの多くは、実は自分の心が作り出した幻想かもしれないのです。
このメッセージは、ストア哲学の基本的な考え方である、心の平静を保ち、感情に支配されずに理性的に生きることの重要性を説いています。
- 自己認識と内省の重要性: 「目覚めよ、自分自身を取り戻せ」という部分は、自分の本質や本来の自分に立ち返ることの重要性を強調しています。日常の忙しさやストレスの中で、自分を見失わないようにすることが大切です。
- 現実と幻想の区別: 「君を悩ましていたものが夢でしかなかったことが分かるなら」という部分は、悩みや問題が実際には自分の心が作り出した幻想であることを認識することを促しています。これにより、問題を客観的に見ることができ、心の平静を保つことができます。
- 心の平静と客観性: 「周囲のすべてを夢として扱うのだ」という部分は、現実に対して距離を置き、冷静に対処することを示唆しています。物事を一歩引いて見ることで、感情に振り回されず、より理性的に対応することができます。
今自分を悩ませているものに対して、一歩引いた視点で見てみませんか?それらは本当に実体のあるものなのか、それとも自分の心が作り出した「夢」なのか、考えてみてください。
121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。
あなたは朝派?夜派?
あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。
ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。
しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。