Email-マルクス・アウレリウス

このように考えよ。お前は老人だ。もう、自分の心を奴隷のようにするな…

このように考えよ。お前は老人だ。もう、自分の心を奴隷のようにするな。利己的な衝動に振り回されないようにし、運命や現在に逆らわず、未来を疑わないようにするのだ。ーマルクス・アウレリウス『自省録』

Think of it this way: You are an old man. Stop allowing your mind to be a slave, to be jerked about by selfish impulses, to kick against fate and the present, and to mistrust the future. – Meditations: Marcus Aurelius

ここで自分に向けて「老人だ」と言っているのは、「歳なんだからおとなしくしていろ」という意味ではありません。年齢を重ねた今、衝動的に怒ったり喜んだりすることをやめるべきだということです。衝動の奴隷として過ごすのではなく、他人や周りの状況に振り回されないよう自分を戒め、自分の感情に対しては主人として振る舞う必要があると、自分に言い聞かせているのです。 

これはマルクス・アウレリウスが51歳の時の言葉で、ローマ帝国の皇帝として多忙な日々を送っていた時期にあたります。彼は異民族からの侵略や内部の裏切りなど、多くの困難な状況に直面していました

哲学者としての理想と現実の政治的責務との間で葛藤しながら、ストア哲学に基づく内面的な平静と寛容を保とうと努めていた時期のものでもあります。

参考文献

マルクス・アウレリウスとは?

121年4月26日、ローマの地に誕生したマルクス・アウレリウスは、後にローマ帝国の第16代皇帝となり、善政を行った五賢帝の最後の皇帝として名を馳せます。現代の我々から見ると、彼は優れたリーダーシップと深い自己省察を兼ね備えた稀有な存在です。彼が残した『自省録』は、戦場や宮廷の喧騒の中にありながら、自身のストア哲学実践のために綴られ続けたものです。その思想と行動を、後に多くの歴史上の偉人やリーダーたちが手本とした人物としても広く知られています。

 

あなたは朝派?夜派?

あなたのジャーナリングの時間は朝ですか?夜ですか?私は起きてすぐの、早朝派です。思考に雑念が入り込む前の、澄んだ意識の状態を狙って書き始めると、ペンがよく走ります。

ただ私の場合、寝起きのコンディションによってペンの重さが変わります。眠りの質が悪く、憂鬱な気分で目覚めたり、悪い夢の途中だったりすると、集中できる状態になるまで少し時間がかかります。寝起きのコンディションがジャーナリングに影響を与えてしまうんです。

しかし…哲人皇帝マルクス・アウレリウスなら、こんな弱々しい言葉は決して口にしなかったでしょう。彼は10代の頃、哲学に傾倒し始めると、粗末な哲学者風の衣服で過ごし始め、さらにギリシア的鍛錬法を実践。母親から注意されるまでベッドではなく地面で寝ていたといいます。地面です!私は地面で眠ることはできませんが、ストア派の教えを生活に活かすため、ジャーナリングによる自己省察の時間を少しでも充実させようと、、ベッドのマットを新調しました。目覚めの状態が良くなり、ペンの走りは快調です。哲人たちには物足りないと言われそうですが、これも私なりのストア派の実践です。