Email-エピクテトス

もし気を抜けば、それまでの進歩はすべて無に帰してしまう…

もし気を抜けば、それまでの進歩はすべて無に帰してしまう。自分の心象に鋭く注意を払い、決して油断してはならない。君が注意を払っているものは、誠実さ、信頼性、安定性と同じものであり、些細なことではないのだ。

それは情念、悲しみ、恐れ、そして狼狽からの解放であり、自由そのものなのだ。自分の自由と引き換えに、何を得ようというのだ。その自慢気な新しく手に入れたものに、どれ程の価値があるのか確かめるがいい。- エピクテトス『語録』

If you doze off, all your progress up to that point will be negated. So keep a sharp eye on your impressions, and never fall asleep. It is no small thing that is being watched over, it equates with honesty, trust-worthiness and stability.

It is freedom from passion, grief, fear and consternation – it is freedom itself. What are you going to get when you trade your freedom away? Check to see what your proud new possessions will be worth. – Discourses of Epictetus

エピクテトスは私たちに問いかけます。「自分の自由と引き換えに、何を得ようというのだ」と。

私たちは、物質的な所有や社会的地位のために、内なる自由を手放してはいないでしょうか?

ストレスの多い仕事、ギスギスした人間関係、時間に追われる日常…。エピクテトスは、私たちの心に浮かぶ多くのイメージや思いに鋭く注意を払い、決して油断してはならないと説きます。

心象に浮かぶものが日常の些細なことに見えても、実際には誠実さや信頼性、安定性と同じくらい、私たちに大きな影響を与えるのです。

エピクテトスは私たちを試すように問いかけます。「その自慢気な新しく手に入れたものに、どれ程の価値があるのか確かめるがいい」と。

自分の心に浮かぶイメージに注意を払うことで、あなたの内面にある大切な資源を守れるのです。

「これは本当に自分の望む人生なのか?」

自分の心象に今何が描かれているのか、一時も無関心でいてはならないのです。

参考文献

エピクテトスとは?

エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。

 

エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。