あなたが何か出来事に遭遇したときには、それを処理するためのどんな能力を自分がもっているかを思い出しなさい。美しい男性や美しい女性を目にしたら、それに対する力として自制心を持っていることに気づくだろうし、苦しい労働を課せられたときには、忍耐力があることを思い出すはずだ。このような良き習慣をあなたが身に着けていれば、出来事の表面的な印象に流されることはないのです。- エピクテトス『要録』
On the occasion of every accident (event) that befalls you, remember to turn to yourself and inquire what power you have for turning it to use. If you see a fair man or a fair woman, you will find that the power to resist is temperance (continence). If labor (pain) be presented to you, you will find that it is endurance. If it be abusive words, you will find it to be patience. And if you have been thus formed to the (proper) habit, the appearances will not carry you along with them. – The Enchiridion of Epictetus
エピクテトスの言葉は、自己の内にある力を認識し、どのような状況においてもそれを活用することの重要性を伝えています。外部の出来事に対してどのように反応するかが、私たちの自由と幸福を決定するのです。
ただ、この教えを知っていたとしても、肝心な時に思い出さず、後から振り返って後悔するようでは、幸せから遠ざかってしまいます。美しいものを見たとき、困難な労働に直面したとき、あるいは侮辱的な言葉を受けたとき、それぞれの状況に応じた内なる力を遅れなく発揮することが求められます。
そのためには、まず表面的な印象に流されないことが最初のステップです。具体的には、日常生活の中で自分の感情や反応を観察し、冷静に状況を分析する習慣を身につけることが重要です。例えば、誰かに侮辱されたときには、その言葉に対して反射的に反応するのではなく、一呼吸おいて自分の内なる力を呼び起こすのです。実践哲学として、日々何度も思い返したいエピクテトスの言葉です。
エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。
自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。
エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は