人が望むもの、望まないものを支配する力、人に与えたり、奪ったりする力を持つ者は、すべての人の主人である。したがって、自由でありたいと望む者は、他人に依存するものを望んだり避けたりしてはならない。もし、この規則を守らなければ、人は奴隷とならざるを得ない。- エピクテトス『要録』
He is the master of every man who has the power over the things, which another person wishes or does not wish, the power to confer them on him or to take them away. Whoever then wishes to be free, let him neither wish for anything nor avoid anything which depends on others: if he does not observe this rule, he must be a slave. – The Enchiridion of Epictetus
あなたは「自由」という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか。仕事が休みの日、趣味に没頭できる時間、1人でゆっくりコーヒーを飲むひとときなど、さまざまなイメージが浮かぶかもしれません。
では次に、自分に向けて「自分は自由なのか」と問いかけると、どんな思いが浮かんでくるでしょうか。嫌な職場に毎日行かなければならない、家のローンがまだまだ残っている、子供の学費が準備できていない、親の介護があって常にスケジュールの見通しが立たない…など、いろいろな思いが浮かぶかもしれません。
「自分は自由に生きているのか」とさらに問いかけてみましょう。いろいろ大変なことはあるけれど、私は自分の心で決めた通りに生きている、という人は「自由」を感じるでしょう。しかし、気を使わなくてはいけないことが多く、自分が思うより先に物事が決まってしまうことが多い、という人は「自由」を遠く感じるのではないでしょうか。
エピクテトスは、他者に依存することなく、真の自由を得るための方法を示しています。私たちはしばしば、他人の評価や期待に左右されがちです。しかし、真の自由を手に入れるためには、自分自身の内に目を向け、他者の影響を受けない心の在り方を築くことが重要です。自由は、他者に依存しない心の在り方の中にあるものです。
「自分は自由か」と問いかけることは、ストア派のリトマス試験紙になるかもしれません。この問いを通じて、私たちは自分の価値観に基づいて行動することの重要性を再確認できます。あなたも、自分自身の力を信じて、本当の自由を手に入れてください。
エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。
自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。
エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は