覚えておきなさい。もしあなたが、本来隷属的なものを自由だと考え、他人のものを自分のものにしようと思うのなら、あなたは妨げられ、嘆き、混乱し、神々や人間を非難することになるだろう。
しかし、あなたが自分のものだけを自分のものと考え、他人のものをそのまま他人のものと考えるなら、あなたは誰にも縛られず、邪魔されることもない。あなたは誰かを責めることも、非難することもなく、自分の意志に反して何かを行うこともない。誰もあなたを害することはなく、敵を持つこともないだろう。なぜなら、あなたは何の害も受けないからだ。- エピクテトス『要録』
Remember then that if you think the things which are by nature slavish to be free, and the things which are in the power of others to be your own, you will be hindered, you will lament, you will be disturbed, you will blame both gods and men:
but if you think that only which is your own to be your own, and if you think that what is another’s, as it really is, belongs to another, no man will ever compel you, no man will hinder you, you will never blame any man, you will accuse no man, you will do nothing involuntarily (against your will), no man will harm you, you will have no enemy, for you will not suffer any harm. – The Enchiridion of Epictetus
私たちはしばしば、他人のものや外部の出来事に対して、まるで自分のものであるかのように執着し、コントロールしようとします。
「いやいや、私は人のものなんて取らないよ」と瞬時に思う人がほとんどでしょう。しかし、物事を楽観的に捉え、現実から都合よく目をそらすと、もしかしたら自分のものになるのでは…などど淡い期待が頭を過り、他人のものが自分のもののように感じられてくることがあるのではないでしょうか。
エピクテトスは、これが私たちの心を乱し、ストレスや不満を生む原因であると指摘しています。私たちが、自分の力でコントロールできることだけを自分のものとし、他人のものはそのまま他人のものと認識するなら、心の平穏を保つことができます。このエピクテトスの教えは、自分を律しながら、内面的な自由を得るための鍵となるのです。
エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。
自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。
エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は