もしあなたが、勝つ見込みのない争いを起こさないならば、あなたは無敵でいられる。だから、称賛されていたり、大きな権力を持っていたり、何らかの理由で高く評価されている人を見たときには、その人を幸せだと思ったり、その見かけに惑わされたりしないように気をつけなさい。
なぜなら、もし善の本質に私たちの力が及ぶのなら、嫉妬や羨望が入り込む余地はないからだ。あなた自身は将軍や元老院議員や執政官になりたいわけではなく、むしろ自由になることを望んでいるのだろう。自由になるための唯一の方法は、あなたの力の及ばないものを気にかけずに軽視することだ。- エピクテトス『要録』
You can be invincible, if you enter into no contest in which it is not in your power to conquer. Take care then when you observe a man honored before others or possessed of great power or highly esteemed for any reason, not to suppose him happy, and be not carried away by the appearance.
For if the nature of the good is in our power, neither envy nor jealousy will have a place in us. But you yourself will not wish to be a general or senator or consul, but a free man: and there is only one way to this, to despise (care not for) the things which are not in our power. – The Enchiridion of Epictetus
あなたは本当に、自分の欲しいものややりたいことがわかっていますか?
毎日忙しく過ごしていると、「やらなくてはならないこと」と「やりたいこと」の境界線がぼやけてしまうことはよくあります。実際、心の中で思っているのは「やらなければならないことを早く終わらせて、一刻も早く解放されたい!」ということかもしれません。
このような状況では、「解放されたい」という気持ちが、やりたいことのように感じられてしまうことが多いでしょう。しかし、それは本当にあなたが「やりたいこと」ではないかもしれません。このような精神状態のときに、自分より少しでもうまくいっている人を見ると、「あんな風になれば、すべてが良くなるのに…」という考えが浮かぶことがあります。
エピクテトスは、私たちが本当にコントロールできるものに焦点を当てることで、他人の評価や外部の出来事に振り回されず、自分自身の内面に基づいた選択ができるようになると言っています。それによって、本当の意味での自由を手にすることができるのです。
日々の忙しさに追われ、気がついたときには望んでもいなかった争いの渦中にいる、などということがないように、今一度、周りを見回してみると良いかもしれません。
エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。
自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。
エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は