Email-エピクテトス

物事には、私たちの力の内にあるものと、そうではないものがある。…

物事には、私たちの力の内にあるものと、そうではないものがある。力の内にあるものには、意見、物事への動機、欲望、嫌悪、つまり一言でいえば、私たち自身の意思が及ぶものが含まれる。力の内にないものには、身体、財産、評判、地位、つまり一言でいえば、私たち自身の意思が及ばないものが含まれる。

私たちの力の内にあるものは本質的に自由であり、制約や妨害を受けないが、力の内にないものはもろく、隷属的で、ときに妨げられ、他者の支配下にあるのだ。- エピクテトス『要録』

Of things some are in our power, and others are not. In our power are opinion, movement toward a thing, desire, aversion (turning from a thing); and in a word, whatever are our own acts: not in our power are the body, property, reputation, offices (magisterial power), and in a word, whatever are not our own acts.

And the things in our power are by nature free, not subject to restraint nor hindrance: but the things not in our power are weak, slavish, subject to restraint, in the power of others. – The Enchiridion of Epictetus

自分の力の内にあるものとそうではないもの、という新たな視点で周りに目を向けてみる。 はじめは、世界を2つに分けるような感覚かもしれません。

これは、自分がコントロールできないものに囚われず、自分の内面に焦点を当てることで、より自由で充実した人生を送るための基本となる考え方です。

自分の力でコントロールできること(自分の判断や行動)と、コントロールできないこと(他人の行動や外部の出来事)を明確に区別することは、無駄なストレスや不安を避け、効果的にエネルギーを使うための重要な指針となります。

これが、ストア派哲学の基本的な教えの一つであり、エピクテトスが強調した「コントロールの二分法」へとつながっていきます。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、繰り返し実践することで自然とできるようになりますので、ぜひ続けてみてください。

参考文献

エピクテトスとは?

エピクテトスは紀元後50年頃、現在のトルコにあたるヒエラポリスで奴隷として生まれました。生まれながらの身分や、足に障害があるなど過酷な境遇にもかかわらず、彼はストア派哲学の偉大な思想家へと成長しました。彼の教えは、後に皇帝マルクス・アウレリウスに深い影響を与え、『自省録』の中で何度も言及されています。奴隷に生まれ、時の最高権力者の精神的指導者となったエピクテトスの人生は、運命の劇的な逆転を体現しています。彼の教えの記録『人生談義』は、困難な状況にあっても内なる自由を保ち、幸福を追求する方法として、今なお多くの人々に読まれ続けています。

 

エピクテトスは、健康を外的なものとして捉え、完全にコントロールできるものではないと考えました。しかし、健康的な生活習慣を維持することは個人の責任であると教えています。2000年前と違い、私たちに少しだけ有利なことは、今は自分の体質の傾向を詳細に知った上で健康管理ができることです。ストア派の実践は健康管理と両輪です。私もこの検査によって健康意識が一段上がりました。共に、幸せと本当の自由を手に入れるために進んでいきましょう。